ドラゴンボール Z Sparking

ドラゴンボール Z Sparking

ドラゴンボール Z Sparking

 管理人のプレイ進行:60%程度(全キャラ出現、2P対戦経験etc)


 という訳で(笑)、このブログ初のゲームレビューをば。
 ドラゴンボールのゲームを購入するのは、本当に久しぶり。FC特有の意味不明っぷりが炸裂する「神龍の謎」を皮切りに、カードバトルを採用したシリーズを経て、SFCの「スーパー武闘伝2」辺りで私のDBゲーム歴はストップしている。
 それ以降もDBのゲームはリリースされてはいるはずであるが、どうも購入までの食指が動かないままに現在まで至った。原作が連載終了し、自分の中のDB熱も落ち着いていったことももちろんあるが、それよりもPS・PS2とハードが進化していく中、DBをゲームで表現するには発展途上であろう、という認識が私の中に少なからずあったのだと思う。もはやDBの世界観は原作とアニメ、そしてファンの中で確立されてしまっている。満足できない途中経過のリリースは買わずに、ファンが認める「これぞ究極のDBゲーム!」と呼べるものが出るまではひたすら「待ち」である、とゲーム屋でDBのソフトを見るたびに思っていた。

 話は変わるが、コナミからANUBISというゲームが発売されている。3D空間を自在に操れる爽快ロボットアクションで、「この操作感でDBのゲームが出てくれたらなぁ…」とプレイしつつ何度思ったか分からない。私以外にも、ANUBISをプレイしたDBファンの多くはそう感じたことであろう。それほど、DBの世界と、空間を自在に動き回って撃ち合いする3D格闘というものはファンの期待するところであった筈だ。

 「ANUBISみたいなドラゴンボールゲー」
 このネットでの評判を見たのはどこだっただろうか。ANUBISドラゴンボール。これだけで私に購入させるには十分な説明であった。
 「アニメまんまの戦い方が可能」
 「今まで出たDBゲーの中で一番DBゲーっぽい」
 ・・・たまらずに公式サイトへ飛び、プロモーションムービーを鑑賞。そこで流れたものはまさにアニメままの格闘シーン。

 「うぉおおおーっ!!これは買いだーーっ!!!」


 大満足。


 いやいや、細かい不安も無いことも無いのだ。それらの列挙はレビューサイトにあるこのとおりで、誰がどう見たって不便な「ストーリーモードのリトライが無い」点や、PS2のメモリの限界であろうフィールドの狭さも残念である。が、私が今改めて挙げていくことでも無いだろう。

 アニメと見間違うばかりの美麗なグラフィック。ままのBGM。ままな技・モーションの数々。クリア条件が原作ままのマニアックなストーリーモード。(ただ、ここまでやっておきながらゲームオリジナルのifストーリーは蛇足にしか思えない。)

 私が気になった点は、全体的にやや大味なところであろうか。格闘部分のダメージ量が、ブラスト技(簡単に言うと必殺技)に比べ極端に少なく、結局はとどめに持っていくのにブラストに頼らざるを得ない点では、戦いの流れが「格闘して気合をためていく→ブラスト打ち合い」というパターンになりがちである。キャラクタの能力差も大きく、下位キャラと上位キャラの対戦では、下位キャラが勝つことは困難であり、「腕じゃなくキャラ性能で買った/負けた」と露骨に思えてしまうほどだ。
 しかし、この不満はすべて「原作どおりである」と解釈すれば納得できるものになる。確かに終盤、悪玉にとどめを刺すときはいつも大技であり、決してパンチ一発でやられてしまうことはなかった。そういった意味で、格闘と光線技にこれだけ極端な差を付けるのも理解できる。キャラ性能も、一般地球人のミスターサタンサイヤ人フリーザセル魔人ブウより強いはずがない。そう考えると、当然の設定とも言える。むしろ、90キャラも居つつ各キャラに能力差が無かった場合は、それこそ「何でこいつとこいつが同じ強さなんだよ」といったファンからのブーイングまみれになってしまうのが想像できる。ちなみにこの能力差は、能力補正のアイテムを装備することである程度自由にカスタムでき、原作重視派と好きなキャラを使いたい派の要望バランスをうまく取っている。

 操作の方も決して簡単では無いが、やっていくうちに複雑になるのも必然であろうと理解できる。3D空間を自在に行き来し、格闘・ガード・光線…と慣れるまでは時間が掛かるかもしれないが、アニメまんまの展開を自分の手で出来るのはファンとしてはたまらない。難しいからと途中で投げてしまうのは、DBファンであればあまりにも勿体無いと思う。
 私はANUBISをプレイしていたし、アクションも苦手ではないからすんなりと操作に馴染むことが出来た。ただ、人に薦めて対戦する際には、操作の複雑さを恨んだ。とてもじゃないが友達と一緒にじっくりは見てられない操作ムービーに、投げやりな練習モードが用意されており、結局は新たに友人を巻き込むごとにソフトの持ち主がレクチャーすることになる。見た目「面白そう」と食いつく友人は多いだろうが、ここで壁が立ちはだかる。前述の通り、ブラスト技を使わないと対戦で勝利することは難しく、更ににその上、緊急回避、ラッシュ系の回避方法などを教え込まないと、駆け引きが生まれ対戦としての面白さが生じるまでに至らないのだ。腕前の差もつき易く、ソフトの持ち主は稽古をつける側として、友人側としては上達するまでは根気が必要になってくる。それを乗り越えさえすれば、CPU戦とは比べ物にならないほど白熱する対戦が待ち構えている。

 このゲームは、まさにDBを愛している分だけ、コミックを読んだ分だけ、アニメを見た分だけ、そして対戦相手と成りうる友人の存在分だけ、価値を倍、いや階乗していけると思う。まさに夢にまで見たこの動きを再現出来、こういうのを待っていました!という気持ちでいっぱいだ。
 「現時点では最強のDBゲーである」という意見に、「同意」である。
 一人プレイのみだと飽きが来るのも確かに早いかもしれないが、しばらく経つとあのキャラでまた大暴れしたくなる。DB直撃世代は、あのころの友人を誘ってプレイしてみては如何だろうか。盛り上がること請け合いだ。
 そして、次回作として、今回の不満点を解消した、より究極のDBゲーが出るのを期待するばかりだ。もうこれがあれば他DBゲーはいらないよっていうぐらいの。あ、それだとメーカー側としては困るか。

 あー、しかしこのゲーム、やってるとまた原作を読み返したくなって来る。

  • 追記:Sparking!とタイトルに付いていながらも「CHA-LA HEAD-CHA-LA」が使われていないのがやっぱり納得いかない(笑)
2005-11-15 追記

 友人と対戦したのだが、食いつきや反応があまり良くなかった。曰く「底が浅い」「すぐ飽きる」とのこと。
 その意見も同意できるのだ。上述の通り、バランスは原作に重きを置き、''どのキャラも一長一短、最強のキャラは一概にどれと決めづらく、幾重にも戦略パターンがある格ゲー''を理想とするならば、このゲームは満たしているとは言えないだろう。
 しかし、私はこのゲームを買って損したとは思っていない。3D空間を駆け回るこのタイプのDBゲーを待ち望んでいたし、出来は十分満足できる。
 やはり、このゲームの評価の分かれ目は、原作をどのくらい愛しているかによると思った。
 対戦した彼は、基本として一応押さえてはいるものの、それほどDBが好きではないという。一方、幼い頃から原作漫画を与え、DB好きに成長していった私の妹とも対戦したが、食いつきはよく、楽しんでくれた。
 「単調、ワンパターン、飽きる」ここまではプレイした人が持つ一般的な感想であるが、そこから、「でも、DBぽく戦えるし、動かしていて楽しい!最高!」と不満点を帳消しに出来るかどうか。


 以上、小学校〜中学校と、DBの影響をモロに受けた人物のレビューである。買おうか迷っている方がいたら、「自分はどれくらいDBが好きか?」を問い直してみると良いだろう。